ここではハワイ不動産購入に際してのプロセスをご紹介致します。購入までのステップを具体的に説明しています。耳慣れない用語や法律などが記述されているため不安になられるかもしれませんが、ご心配は不要です。我々はこれまで数多くの外国人、日本人のお客様を取り扱った豊富な経験と知識がございます。お客様にとってプロセスがスムーズで負担なく、最短の方法で進める方法を熟知しておりますのでどうぞ安心してお任せください。
※買主は、エージェントに仲介手数料を払う必要はございません。
<ハワイ不動産の購入手順>
1) 希望条件を定める:お探しの不動産の希望条件をおしらせください。 (コンドミニアム、一軒家、景色、広さ、場所など)。すでにこの要望、条件がはっきりしている場合は下記のステップ2はスキップし、3にお進みください。
2) 弊社によるリサーチ: お客様の希望条件にあった弊社にてリサーチしご案内いたしますのでご意見をお聞かせください。フィードバックに応じてさらにご希望にぴったりの物件をご紹介致します。
3) 物件の内見(ショーイング): お客様のご要件に合った物件を実際に見に行きます。弊社で売主の不動産エージェントに連絡をとりアポイントをとります。時には短い時間にて手配可能な場合もありますが、ほとんどの場合24時間から48時間が必要です。(特に物件にテナントが居住している場合48時間前の連絡が必要です)。できるだけ短時間にて手配できるよう努めますが48時間以上の事前の時間があればより高い確率でショーイングが可能になります。ただし、短期バケーションレンタルが可能なコンドミニアムホテル(トランプ、リッツ、イリカイ等)などでは宿泊客が滞在している時に内覧することができません。したがってハイシーズン中などこれらの物件へのショーイングは難しいのが現実です。
4) 購入申し込み(オファー):ご購入されたい物件が見つかったら売り手側に購入申し込みをします。弊社にて売買契約書(通常約14ページ)を用意し、売り手のエージェントへ正式な書面による申し出を行います。このオファーの有効期限は多くの場合48時間以内としています。
5) 受諾またはカウンターオファー:売主側はオファーに合意、無視、またはカウンターオファー(条件変更申し出)の何れかをします。またカウンターオファーを受け取った場合は、それに合意、無視またはカウンターオファーをすることができます。
6) エスクローの開設:売主と契約内容について合意に達すると(価格&その他の契約条項)、エスクローを開設します。エスクローとは公平な取引を行う第三者の会社で、以下のようなハワイ不動産の取引において多くの役割を果たします。
a)該当物件に対する所有権、抵当権、未払税金・管理費、先取特権、地役権などの存在をまとめたレポート(Preliminary Title Report)の発行
b)権利、所有権を移転するための譲渡証書(Deed)を弁護士へ依頼
c)所有権が完全に移転するまで、お客様の手付金や最終支払金をエスクローの口座で管理
d)クロージング・ドキュメント(物件譲渡に取引者双方の署名が必要な文書一式)やその他必要な書類の準備
7) 手付金:ほとんどの場合、買い手はエスクロー開設後すぐ(2営業日後)に手付金を支払います。支払い方法は送金または小切手を書くのが普通です。手付金の金額にルールはありませんが、通常購入価格の約1%が目安です。
8) 室内検査(ホームインスペクション):物件が新築の場合でもプロのホームインスペクターを雇って徹底的な検査をすることをお勧めしています。我々の経験から言えることは、たとえ新築であってもどこに不備があるかわからないものです。したがって素人目にはわからないリスクをわずか数百ドルの検査費用で発見できるなら、それは大いなるリスクを回避できるからです。
検査員(インスペクター)が問題を発見した場合、お客様のオプションは以下のとおりです。
- 売主に修理を依頼する。ただし売主は修理をする義務はありません。
- 修理が必要と感じた場合は所有権を取得した後、自分自身にて修正する。
- 売主に修理を依頼して支払いも要求する。
- 検査結果を受け止め売主には何も要求しない。
- 特定の契約期限内に契約をキャンセルする。建物検査の費用を除いて、事前に支払った手付金は返金されます。
検査結果を受け入れることを決断した場合、通常この時点で2回目の手付金を支払うことになります。金額にルールはありませんが、この時点で2番目の手付金(購入価格の約2.5%)を支払うのが通常です。
9) 各種書類のレビューと承認:エスクロー中にいくつかの重要な書類を売り手側やエスクローから受け取ります。
a) 事前タイトルレポート – 一般的にエスクロー開設数日後、エスクロー社によって準備された事前タイトルレポートを受け取ります。これは物件を所有する前に解決が必要な事項ー所有権、抵当権、先取り特権、未払税金、地役権などの存在の全てをまとめたレポートです。エスクロー社はこれらを解決するために売主と話し合います。
b)売主 の不動産開示書 – これは売主に対していくつかの質問が書かれた通常5ページに渡る文書で売主はこれに記入しなければなりません。質問に対する答えは、はい、いいえ、私の知る限り違う(Not that I know of)、該当しない、のように回答されます。売主が質問にはいと答えた場合、売主は説明を記述する必要があります。この売主の開示情報についてあなたが納得いかない場合はこの時点で契約を解除することができます。解除した場合最初に支払った手付金と2回目の手付金は返金されます。(あなたが2回目の手付金を支払っている場合)
c) コンドミニアム・ドキュメント (コンドミニアムのみ)- 売主が支払い、買主に提供する書類です。コンドミニアムに関する様々な書類があります。法律関係、取締役会、関連保険の概要、財務状況の詳細、プロジェクト情報フォーム、議事録宣言、付属定款、社内規則などがあります(書類が管理会社によって記入された場合は売主による管理費用の滞納の有無、訴訟の有無、遅延された費用の取り扱い方法などを説明しなければならない)。この書類に納得いかない場合は契約を解除することができます。この場合支払い済みの頭金は返金されます。
d) 測量 (一軒家のみ) – 売主により用意され支払われます。測量はハワイ州のライセンスを取得した土地測量担当者によって行われます。測量では物件の四隅ををマーキングし土地とその上にたつ家、プール、フェンス、壁、ガレージ、屋根などを示した大きなレイアウトマップを作成します。測量の最大の目的は、建築物の一部(フェンスなど)が近隣の土地にはみ出していないかを確認することです。はみ出した部分6インチ未満(15.24センチメートル)であれば僅少とみなされ、許可されています。食い込みが6インチ以上(15.24センチメートル)である場合には、売主はこの問題を解決する必要があります。方法は売主が隣人とこの食い込みについて書面にて契約書を交わし、これを認識していること、50パーセント以上が崩壊した場合は敷地境界線を守るためにも適切な場所に再構築することを記さなければなりません。
e) 借地権に関する書類 – 売主より受領し、この書類に納得いかない場合は契約を解除することができます。
f) レンタル契約書 – 売主より受領し、この書類に納得いかない場合は契約を解除することができます。
10) 査定:ローンを銀行に申し込んだ場合は銀行からの査定が必要です。銀行は購入価格ではなく、評価額に基づいて一定の割合を貸します。例:$ 1Mの物件を70%のローンで購入したが評価額は$990,000であれば、銀行は$990,000の70%を融資します。したがって頭金を増やす必要があります。
11) シロアリ検査:買い手が選んだ検査員により検査され、売主が支払います。シロアリが発見された場合は売主が処理代を支払い対応します。売り手側の開示文書に記されるべき建物に損害があった場合、契約をキャンセルすることができ、その場合は初回と2回目の手付金が返金されます。
12) ファイナルウォークスルー:通常、登記(所有権を取得する日)の数日前、ホームインスペクション時と同じ状態であることを確認するためにファイナルウォークスルーを行います。売主がゴミや私物をきちんと処理してあることを確認したり、ホームインスペクション後に修理依頼されたものがきちんと修理されているかなどを確認します。
13) 公証手続き:証書(所有権を転送する法的文書)は公証人の前で署名する必要があり、ハワイのエスクロー会社や在日アメリカ大使館、一部の公証役場ですることができます。他にも署名する必要がある文書(履行免責書類、買い手による費用の詳細文書など)がありますが、これらは公証人の前である必要はありません。証書の原本及び他の全ての文書は登記の2営業日前の午後12時までにエスクロー社へ提出される必要があります。
14) 最終的な残金の支払い:購入残金、及び、契約締結の諸費用は、登記の行われる2営業日前の午後12時までにエスクロー社へ支払われなければなりません。海外送金には1営業日以上の日にちがかかりますので注意してください。
15) 登記完了と鍵の取得:登記の当日にエスクローは、所有権管理移転局(登記を管理している政府機関)より新しい登記がされたことを買い手と売り手側に通知します。我々には通常9時頃には連絡があり登記が無事行われたことが知らされます。この連絡が来て初めて売り手から買い手に鍵を渡すことができ、買主は物件に入居することができます。
<ハワイ不動産の購入準備段階>
・不動産会社&エージェント選定: 売主、買主のエージェントは、それぞれ、売主と買主にとってできるだけ良い条件で売り・買いすることが役目になります。
- 買主と売主は利害関係が反するため、基本的に各々別々に選定します。双方が合意すれば、同じエージェントを使うことも可能。
- 買主は、エージェントに仲介手数料を払う必要はございません。
- ハワイの場合、売り物件は基本的に不動産協会のサイトに掲載されており、不動産協会に属するエージェントは全て、同じ物件情報にアクセスできます。
・予算、資金計画、ローンを組まれる場合はローンオフィサーのご紹介と選定: 不動産を購入する上で、非常に重要になのは「予算」です。ご購入方法が現金かローンかによっても予算の出し方が異なります。
- 現金の場合:ご希望のエリアの大体の相場をお分かり頂いた上で、ご予算を決めて頂き、その後、ご予算内でご希望条件に該当する物件をお調べ致します。
- ローンの場合:物件探しをする前に、ローンオフィサーの審査を受けておく必要があります。物件を見に行って気に入り、購入申込書を出す段階で「ローンの仮審査が通ってる」ことを証明する「プリクオリフィケーション・レター」という書類を売主に提出するのが一般的なのと資金計画を立てるためです。(※外国人がローンを組む場合、一般的に購入価格の最低30%~40%の頭金が必要になります。(※ローンプログラムや物件により異なる)
*ローン考慮事項: まず頭金はいくら準備が可能か?いくらまでの融資を受けられるか?月々のお支払いはいくらまでなら可能か?また購入後のランニングコストも大丈夫か?
・購入目的の決定: 予算と共に、ハワイで不動産を購入する「目的」をしっかりと見定めることも重要です。
- 別荘として、好きなときに利用?
- 年に数回利用して、それ以外の期間は、貸し出し?
- 投資目的で、年中貸し出し、賃貸収入?
・名義(所有形態)の決定: 物件の選択、内覧前には決定しておくことが望ましいです。(※複雑な場合は、弁護士や会計士の紹介が可能です。)
<日本法人で購入時の必要書類>
法人で購入する際、 Corporate Resolution、及び、Certificate of Good Standingという書類が必要となります(登記時に登記所に提出する必要があるため)。日本法人の場合、登記簿謄本がCorporate Resolutionにあたりますが、日本にはCertificate of Good Standingにあたるものがありません。しかし、登記簿謄本を翻訳の上、Certificate of Good Standingを発行してくれるハワイ現地の弁護士を弊社はご紹介させていただきます。尚、登記簿謄本は、発行されてから30日以内のものである必要があります。
※エスクローによっては、登記簿謄本の翻訳の必要はなく、登記簿謄本を元に弁護士が作成したCertificate of Good Standingのみ求められることがあります。
<購入費用>
・購入価格の約1%
※仲介手数料は無料(売主が負担)
例 (現金購入の場合)
- 名義保険:$ 1500($ 1M物件に基づいて推定)。
- エスクロー手数料:$ 1,600($ 1M物件に基づいて推定)。
- 登記費用:$ 50
- 管理会社への転送手数料(コンドミニアムのみ):$ 350
- 固定資産税:売主は例えば、通常12月に事前に次の6ヶ月(1月から6月)分の固定資産税を支払う。もし購入者が10月1日に所有権を取得した場合は、売主がすでに支払った10−12月分の税金を買い手はエスクローが日割り計算し、エスクローを通じて売主に税金を支払います。
- 管理費:買い手は契約月の日割り計算された管理費に加え、翌月の管理費についても同時に支払う。例:3月15日に登記した場合、購入者はエスクローを介して、3月15日から4月末までの管理費を支払うことになります。
- 新開発物件の場合: 既に建設された物件と、これから建設予定の物件では費用にいくつかの違いがあります。もっとも大きな違いは新規建設の開発者は通常売り手によって支払われる譲渡税を、買い手に支払わせるということです。物件所有者の免除(通常ここがあなたの主な居住地ではなく1年の間270日間生活をしない)を主張することはできない所有者の税率は以下の通りです。
- 0.15% ー購入価格が $599,000までの場合
- 0.25% ー購入価格が $600,000 から $999,999までの場合
- 0.40% ー購入価格が $1,000,000 から $1,999,999までの場合
- 0.60% ー購入価格が $2,000,000 から $3,999,999までの場合
- 0.85% ー購入価格が $4,000,000 から $5,999,999までの場合
- 1.1% ー購入価格が$6,000,000 から $9,999,999までの場合
- 1.25% ー購入価格が $10,000,000以上の場合
新築物件の購入の際には買い手にとって税金面での利点がある場合があります。詳しくはハワイ固定資産税に関する記事をご覧ください。
- 保険費用
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- コンドミニアム:所有者は通常HO6保険に加入します。それは個人財産の保護(家具、衣類など)や、コンドミニアム協会の保険規約でカバーされていない個人の責任、アップグレード(新しいキッチン、フロアーなど協会保険に含まれてない部分)をカバーしています。 (注:保険費用は個人の状況により変わります。(保険対象となる家具が$1,000,000の価値のものと $10,000のものでは金額が変わります))
- 一軒家:物件所有者は通常、火災、ハリケーン、水害などに対応した保険に加入します。物件がどの洪水地区にあるかによりますが洪水保険の加入をお勧めします。現金で購入した方には保険加入は義務付けされていませんが、我々は万が一に備え加入をお勧めしています。
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<ハワイ不動産 用語解説>
MLS
ハワイオアフ島の不動産業者はMLS(マルチプル・リスティング・サービス)と呼ばれるサービスに加入しており、ここでは他の不動産業者がリストした物件をオンラインにて共有しています。したがって全ての不動産業者がオアフ島の全ての物件を見ることが可能です。
(MLSリステイングと呼びます)。不動産業者は、自社のウェブサイト上でこれらのMLSのリストを表示することが許可されています。弊社のウェブサイト上- www.hawaiiliving.jp -でももちろんすべてのオアフ島のMLSリステイング を表示しております。
まれに売主は不動産業者に対してMSLにリストしないよう指示する場合がありそのような物件は非表示となっている場合があります。(このようなケースは稀で300件に1件ぐらいの割合です)全ての不動産業者が同じ物件をMSLで見れるため、通常買い手は一つの不動産業者を選ぶのが普通です。
不動産エージェントコミッション
ハワイでは買い手は不動産エージェントコミッションは支払いません。売主が、売り手のエージェントと買い手のエージェント両方のコミッションを支払います。支払われる金額は売主と売り手エージェント間の契約にて決定されます。
デュアルエージェンシー
デュアルエージェンシーとは一人の不動産業者、あるいは同じ不動産会社(同不動産会社内の二人のエージェント)が売主と買主の代理人を行う状況です。この状況ではこのエージェントは代理人というよりは、アドバイザーという形になります。なぜなら、買い手、売り手の利害対立を避けるためどうしても中立の立場を維持する必要があるからです。従って交渉で助言を与えることは許可されていません。物件検査後問題があったとしても、また、価格交渉の際にもアドバイスをすることができません。利益の相反する仲介をすることはハワイでは理想的な仲介とは考えられていません。従って買い手の大半は不動産業者を選び、購入するのが普通です。
現金または融資
米国におけるいわゆる「クレジットスコア」を持たない外国人は、通常アメリカで融資を受けることは困難です。なぜなら米国の銀行は借り手の返済能力を確認できることを望むからです。クレジットスコアを確認することにより、借り手のローン支払い能力ー現在の融資返済状況、車のローン、クレジットカードの状況などを知ることができます。クレジットスコアの代わりとして外国人は現在返済中の債務の3種類を示す必要があります。それは現在の住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードローン、携帯電話の分割ローン等のローンの支払いで少なくとも2年間は返済中のものです。(銀行二よっては債務が2種類しかなくても受け入れる場合もあります)さらに、銀行は借り手の少なくとも過去2年間(給与所得、賃貸物件の収入、信託所得など)の収入の証明書を提示を求めます。他にも要件はありますが、これらは一般的に外国人バイヤーにとっての最大のハードルです。
セカンドホームとして購入する場合で融資額が$635,000の場合、頭金は最低でも30%は必要です。(金額は変化しますが多くの場合このレベルです。)融資額が$635,000以上の場合は頭金は少なくとも40%は必要です。財産を貸し出す投資家ローンの場合は、融資額に関わらず頭金は融資額の40%です。これらすべての要因を考慮した上で、我々の海外のお客様の大半は現金で購入されます。