「60日ロールオーバー」を活用したハワイ不動産購入方法      

とても素晴らしい不動産の購入機会に遭遇したにも関わらず、必要な資金をすぐには準備できないといった境遇に出くわしたことはありませんか?

今回は、あまり知られていない「60日ロールオーバー」という手段を活用してハワイ不動産を購入する方法を学びましょう。この便利な手段の長所短所をご紹介する前に、一般的に知られている資金調達方法を見ておきましょう。

1)ホームエクイティラインオブクレジット(HELOC

あなたが充分なエクイティのある一軒家を所有している場合、HELOC口座の開設を検討してみるのも良いでしょう。この口座はご自宅のエクイティを活用できる当座預金口座のようなものです。エクイティの80%を上限に小切手をきったり借り入れをおこしたりすることができます。アメリカの多くの銀行や信用組合ではわずかな手数料または無料でHELOC口座を開設することができます。近年ハワイでのHELOC金利は、1年で0.5%3年で2.5%5年で3.5%と低く推移しています。最初の一年が終了すると、一般的には予め設定された高い金利が適用されます。

この手段は短期的な対策であることを覚えておきましょう。近い将来に返済できる充分な資金または収入がある場合のみにHELOCを活用すべきです。実際に私自身も二軒目以降の不動産を購入する際、一時的な資金調達方法として主たる住居とする自宅を担保にHELOCを利用したことがあります。私のHELOC口座は、急を要する準備資金としての役割を果たしています。HELOC口座を持つことで、準備金用の口座を用意しておく必要がなくなりました。

投資物件の購入または改築に利用したホームエクイティラインオブクレジット(HELOC)の利息であれば、支払った課税年度に控除することができます。

関連記事Real Estate Tax Benefits Guideも併せてご覧ください。

-所有するご自宅に充分なエクイティがなく、むしろ初めて住宅を購入するファーストタイムホームバイヤーで必要な頭金がない場合:

2) 年金早期受給違約金免除-ファーストタイムホームバイヤー対象

初めて住宅を購入するファーストタイムホームバイヤーにとって最大の難関は頭金の準備です。国税局では、初めて購入する住宅に対し年金口座から10,000ドル、夫婦であれば20,000ドルの引き出しを認め、早期受給違約金が発生しない措置を行っています。各年金制度のうちIRA及びSEP IRAからの引き出しは課税対象、開設より5年以上経過したROTH IRAからの引き出しは非課税対象です。その他にも制約があります。

401(k)からの引き出しは課税対象で違約金免除措置もありません。

3) ご自身の401(k)を担保にしたローン

401(k)または雇用主が提供する同様の退職金制度から最大50,000ドルを超えない範囲で口座残高の半分までを限度に借り入れをおこすことができます。ただし、この場合は借り入れに対して利息が発生します。

-注:年金口座からか引き出しまたは借り入れをする前に、資格を持った年金の専門家に相談しメリットとデメリットをしっかり把握しましょう。

アラモアナビーチからのサンセット

-多額の年金があり、短期的(60日間)に多額の現金が必要になった場合に、貯蓄を担保にローンを組むのではなく、次の資金獲得までを繋ぐ「60日ロールオーバー」の活用を検討してみましょう。

4) 60日ロールオーバー

これは税金面で利点のある年金口座から即座に多額の現金を引き出せる手段であまり知られていません。60日以内に返済できる能力または資金があることが条件です。

60日ロールオーバーの規定では、ご自身のIRARoth IRA401K、または雇用主が提供する同様の退職金制度から年金の全額または一部を引き出すことが認められています。60日以内に有資格年金口座に再び預託すれば金利や違約金はかかりません

この規定は通称「間接ロールオーバー」とも言われ、一般的には転職に伴い雇用主から小切手の形で401(k)退職基金を受け取る際に活用されるため、60日以内にご自身が選ぶ新しい年金口座に再預託することができます。新しい年金口座は、ロールオーバーIRA、転職先の401(k)、または同様の年金制度から選べます。面白いことに、年金を引き出したのと同じ口座に預託することもできます。

つまり、60日以内に再預託しさえすれば税金や違約金がかからないロールオーバーとして取り扱われます。

例:あなたの年金口座のひとつに150万ドルあり、最新のホノルルのラグジュアリーコンドミニアムを購入するために150万ドルが急遽必要になったとします。出金から60日以内に150万ドルを再預託できる能力または資力があなたにあれば、年金口座から税金または違約金を課されることなく150万ドル全額を使うことができます。

60日ロールオーバーは手ごろな手段で、特に課税猶予措置が適応される逆1031エクスチェンジ

を使って売却前に新投資物件を購入する際は便利です。もちろん、a.)購入に際し即座に現金が必要な場合で、b.) 60日以内に再預託するために売却する物件の売却益で資金調達が確実である場合が条件です。

このロールオーバーでは60日以内に再度預け入れなければなりません。不可抗力による特別な事情を除いて延長はありません。再預託ができない場合、IRSはこの資金引き出しを年金受給とみなします。資金が(401(k)や従来のIRAのような)課税猶予対象の場合、全額が課税対象とみなされます。また、あなたが596か月未満である場合、10%の早期受給違約金が追徴される場合があります。

-もうひとつの重要な制約

60日ロールオーバーは12か月に一度しか使えません!

つまり、12か月間にひとつの年金口座しか利用できないことになります!

例:あなたは急遽150万ドルの現金が必要になり、401(k)から100万ドル、SEP IRAから別に50万ドル使いたいとします。ちょっと待ってください!二件目の引き出しは12か月に一度」の制約に反しているため年金の受給とみなされ課税及び違約金の対象となります。IRSはあなたの弁明を聞いてはくれず二件目の引き出しを取り消すこともできませんので注意しましょう。ロールオーバーに関する詳しい情報はIRSの公式ホームページを確認しましょう。

まとめ

不動産購入において即座に現金が必要となった際、60日以内に確実に再預託できるのであれば、60日ロールオーバーはとても便利な制度です。あるひとつの年金口座から全額引き出すこともできますが、利用できるのは12か月に一度だけです。

関連記事もご覧ください。

不動産による財産構築

不動産投資への7つの戦略

免責事項:私は不動産投資家であり資格を有する宅地建物取引業者です。数多くの1031エクスチェンジを手掛け、数え切れないほどの不動産投資をお手伝いしてきました。しかし、税務の専門家ではありません。税制に関しては、常にご自身の信頼のおける税務専門家にご相談ください。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です