<概要>
- 賃貸所得計算書は適切な条件下で見なければ意味がありません。
- なかには他の物件に比べて実績を上げている物件があります。パフォーマンスの向上に必要な策をこうじ、同等物件と比較してより生産性の高い物件を目指しましょう。
- すべての固定費、変動費を見直しましょう。高いキャップレート(実質利回り)が見込まれる物件を検討しましょう。中途半端な指標に振り回されず、感情的な決断は避けましょう。
今新たにブームがきているのはホテルコンドです。短期賃貸の予約は春休みを契機に著しい回復を見せました。夏季の予約数は2021年を記録的な年に押し上げるほどの好調ぶりです。
コロナ禍に先行きを見守るだけだった人は、積極的なバイヤーは既に売却に成功していることに今頃気づいているでしょう。パンデミックによる価格の下落は起こらなかったのです。
エコノミストたちは観光や経済の回復予想を上方修正しています。ワクチン接種が成功したことにより今後の見通しが改善されました。
関連記事: 「ホテルコンド購入のチャンス」をご覧ください。
好奇心の強いバイヤー達は下記の魅力的な二点を同時にかなえる方法を探っています。
- 賃貸収入の可能性を最大限にする ― 短期バケーションレンタル(1テナントあたり30日未満の賃貸)は賃貸期間が最低30日必要な長期賃貸と比べてかなり多くの賃貸収入を生み出す可能性があります。
- 物件の利用方法を柔軟にする ― 物件の予約状況をコントロールすることができます。ご自身の休暇で物件を利用したい日は予約が入らないようにブロックできます。ゲストが利用する合間を縫ってご自身が物件を堪能できます。
関連記事「ワイキキホテルコンドミニアム ガイド」ご覧ください。
多くのバイヤーにとってキャッシュフローは最重要事項です。バイヤーが賃貸所得計算書をと睨み合い困惑するのも当然です。
「同じようなユニットなのにどうして物件によって所得額に大きな差が出るのか?」と。
賃貸所得計算書を適切な条件下で見なければならないのはこのためです。所得計算書は収入の良し悪しの理由を説明してくれるものではありません。
________________________________
賃貸所得計算書だけではすべては分からない
バイヤーは安心を求めて計算書の隅々まで眺め将来のリターンを推定しようとします。
しかし、それはバックミラー見ながら車を前に走らせようとしているようなものです。
所得計算書を見直す以外にもやるべきことがあります。
2020年の賃貸収入は新型コロナウイルス感染拡大の多大な影響を受けました。そのようななかで2019年の計算書は運用実績を把握するうえで適切な情報源となるのでしょうか?ゴールを目指す上で計算書が基準となり得るのでしょうか?全く無意味なのでしょうか?
関連記事: 「ワイキキのホテルコンド:家賃収入か、優雅なライフイフスタイルか」をご覧ください。
所得計算書はあくまで物件の一時的な過去の実績を示すものです。現状維持が目的ならば所得計算書で事足りるかもしれませんが、多くの方が目指すのはその先ですよね?
賃貸経営に影響を及ぼす隠れた要因を見極めましょう。「見たとおりのものが結果に反映される」という考え方はありがちな勘違いです。
目標は人それぞれ
所有するユニットを賃貸に出さずもっぱら自身の楽しみのために利用するオーナーもいれば、一年のうちのある期間を賃貸にするオーナーもいます。また、賃貸収入を増やすことに関心がなく標準以下の賃貸収入で満足するオーナーもいます。
そのなかには「今のキャッシュフローで充分、改装には経費を使いたくない」との考え方から過去50年にわたり同じ管理業者に任せっきりで時代遅れの物件をそのままにしているオーナーもいます。
関連記事: 「ワイキキコンドミニアム – リモデル術公開」をご覧ください。
________________________________
賃貸収入の可能性を最大限にしたいなら、次に挙げる要因を検討してみましょう。
オーシャンビューvsマウンテンビュー
6時間のフライトを経てハワイに到着する観光客にはオーシャンビューほうが好まれ、抵抗なく追加代金を払ってくれることは容易に想像できます。しかし、その追加代金はいくらぐらいなのでしょうか?
オーシャンビューとマウンテンビューの賃貸収入の違いは建物によって変わってきます。これは物件の適正販売価格にも当てはまります。
例えば、ワイキキバニヤンからのオーシャンビューとマウンテンビューはどちらも目を見張る美しさです。そのため、オーシャンビューの追加代金は比較的安くなります。
一方で、イリカイからのオーシャンビューは息を呑むほどの美しさであるのに対し山側はマウンテンビューというよりむしろ「ストリートビュー」が正確な表現といえるでしょう。
ここでは、海側と山側(道側)で賃貸収入及び販売価格に大きな開きが出てきます。
コロナ禍では、価格差が一時的に縮まっていましたが、ここにきて平均値に戻りました。イリカイの場合、この差がコロナ以前よりも大きくなりました。現在、イリカイのオーシャンビュー物件はマウンテンビュー物件に過剰な追加代金が上乗せされて販売されています。これは将来の収益増加の期待感で市場が加熱すると起こる典型的な現象です。
オーシャンビューとマウンテンビューの販売価格差が通常よりも大きくなるときは、オーシャンビューの価格が高すぎるかマウンテンビューが破格の値で売られているかのどちらかです。市場が上向きのときは、後者の現象が起こります。
弊社ではこれらのトレンドを注視し、どの物件が買い時かを見極めます。
不動産の要素のなかでも眺望の良し悪しは不治の病のようなもので、変えることができません。オーシャンビューかそうでないかです。
オーシャンビュー物件の場合は賃貸収入の見込み額が購入価格の追加代金に見合っているかで判断することができます。
賃貸収入が妥当な額でないなら追加代金を払ってまで購入すべきではありません。
オーシャンビュー付きの最上階ペントハウスが追加代金をのせて販売されることがありますが、その数階下の同じ物件が追加代金なしで賃貸されていたりします。購入時には感情に流されて判断を誤らないようにしましょう。
眺望が不治の病だとしても、ご自身がコントロールできる要素が治療されていれば賃貸収入を徐々に向上させることができます。
これらの要素が正しく整備されていれば、同等物件に比べて高い賃貸収入を生み出すことが出来るかもしれません。
________________________________
より良い、より安い、より速いが勝利のカギ
NetflixがBlockbusterを倒産に追い込んだのもこの戦略です。最近ではUberやLyftがタクシー会社を圧倒しています。同様の破壊的なトレンドが旅行業界でも起きていています。投資の明暗を分けているのは管理会社の手腕です。
不動産管理
不動産管理業者のなかには一昔前の戦略を使い変化に鈍感な業者もあれば、新しいテクノロジー取り入れ合理的な経営と経費削減により歳入を最大化する業者もあります。
なかには粗利益の50%もの管理費を徴収する業者もあれば、20%、さらには15%近くの安い管理費で素早く対応してくれる業者もあります。
ネットキャッシュフローは粗利益から経費を差し引いた額ですから、歳入と経費のどちらもしっかりと見ておくことが必要です。
最終的にどのような管理業者がより良い結果をもたらしてくれるのでしょうか?
- A. 粗利益100,000ドル、管理費50%
- B. 粗利益90,000ドル、管理費20%
管理費差し引いた利益を比べると管理業者Bは管理業者Aよりも22,000ドル多くの利益を生み出したことになります。(B:72,000ドルの利益、A:50,000ドルの利益)
その他の経費はどうでしょう?
- A. 粗利益80,000ドル、総経費40,000ドル
- B. 粗利益120,000ドル、総経費80,000ドル
経費を差し引くとどちらの物件も純利益が40,000ドルになります。しかし、経費の一部が固定費で、粗利益が35,000ドルに落ち込んでしまったら?固定費が粗利益を超えてしまいキャッシュフローはマイナスに転じてしまいます。
関連記事: 「ある不動産投資家の告白」をご覧ください。
ダイナミックプライシング
ダイナミックプライシングとは航空会社やホテルが導入している変動価格制のことで、空室(空席)を埋めることで収益を最大化する手法です。
- 予約表が半分しか埋まっていないなら、価格が高すぎです。
- 満室なら価格設定が低すぎるかもしれません。
積極的な管理業者なら需要と供給の動向を掴み即座に価格を調整します。ダイナミックプライシングは稼働率を最適化し収益を最大化することができるのです。なかには何も対処せず収益増のチャンスを逃してしまう管理業者もあります。
2021年の春休み、夏休みに関しても、業者によっては満室予約を受けているところと観光業回復の時期を見極めようとして出遅れているところがあります。
プレゼン手法ー写真とキャッチコピー
物件の見せ方も不動産管理業者の手腕が問われます。プロのフォトグラファーやキャッチコピーが予約数、料金、しいては物件が生み出す収入に大きな影響を与えます。フォトグラファー選びはケチってはいけません。一流のフォトグラファーなら大きなリターンをもたらしてくれる可能性があります。
プライバシーとソーシャルディスタンス
Airbnb、VRBOなどの宿泊予約サイトは気軽にオンライン予約ができる便利なツールとして旅行者の間で人気です。アマゾンが小売店の経営を追い込んだように、宿泊予約サイトも大手ホテルチェーンの経営を圧迫しています。
アマゾン利用者は、自宅にいながらのんびり買い物ができコロナ禍のソーシャルディスタンスを保つことができるオンラインショッピング好みました。同様に旅行者もソーシャルディスタンスを保った旅行のあり方として混み合ったホテルでの滞在よりも個別のAirbnbユニットを好み選んでいます。
ただし、その旅行者も選んだAirbnbユニットが距離を置きたいと思っていた密になるホテルの中にあるとことには気づいていないのかもしれません。このことに目を付けたやり手の管理業者はコロナ禍でも早々にリードをとって大手ホテル経営者をしのぎ業績を上げています。
信頼の獲得ースーパーホスト?
今日の不動産管理業者はこれらの予約サイトをフル活用し、利用者の好意的なレビューで信頼を獲得して本当の意味でのホスト(サービスを提供する人)になっています。
信頼を得るための敷居は下がり、その過程は人間味があるものです。新しい旅のスタイルに期待を寄せ、定評あるホテルチェーンではなく実績あるスーパーホストを求めている旅行者も少なくありません。
スーパーホストは利用者のレビュー獲得に徹底的に取り組みます。数が多いほうが良いのです。また、たった一つの否定的なレビューが多くの好意的なレビューを台無しにし、評判を損ない、将来の予約に影響を及ぼします。どんなに経費がかかっても芳しくないレビューを書かれることは避けなければなりません。
頼りになるのは広報とダメージコントロールに精通した不動産管理業者です。
物件の状態とアメニティ設備
宿泊客は施設の状態や宿泊代に含まれるアメニティ等を確認するため宣伝文句や写真、レビューを熟読し徹底的に研究しています。
- オーブン一体型コンロや大きな冷蔵庫が付いたフルキッチンなのか、それとも電子レンジとミニ冷蔵庫だけの簡易的なものなのか?
- 本体の他に室外機があるタイプの静音設計エアコンなのか、それとも窓に取り付ける型の20年落ちウィンドウエアコンなのか?
- モダンなフローリングなのか、それとも1970年代から使い古された感のあるカーペットなのか?
- おしゃれでリッチ感漂う家具なのか、それとも40年前に人気だった花柄プリントの竹製家具なのか?
- 壁は明るく幸福感のある色で塗り替えられているか、それとも15年前に改修されて以来変わらない薄暗いこげ茶色のカーペットとはがれた壁紙のままなのか?
定員 ― ベッドの配置
経験から言うと、賃貸物件でのより良い睡眠がより良い賃貸収入につながるように思われます。賃貸用の宿泊施設によってはシングルベッド2台、ダブルベッド2台、キングサイズベッド1台、クイーンサイズベッド2台と数やサイズはさまざまです。また、リビングにソファーベッドを置いておることもあります。
クイーンサイズベッドを2台にするという少額の投資で年間キャッシュフローを6,500ドル向上させることができる場合もあります。
だたし、これには注意が必要です。弊社では消防規則を超えて定員を増やした例を見てきました。500平方フィートの広さのコンドミニアムの場合、定員は5名です。安全性を担保できない誘惑に騙されてはいけません。
納税に関しても同じことが言えます。制度を悪用したり抜け道を使ったりする人もいますが、捕まった時にはみじめです。―常に法律の範囲内で工夫をしましょう。
関連記事:「短期バケーションレンタルのリスク」をご覧ください。
要するに、賃貸収入を向上されるためには次のことに注力しましょう。
- 合法短期賃貸には有能で評判の良い資格を持った不動産管理業者を選定しましょう。
- 過去の所得計算書に惑わされてはいけません。上記に挙げた案を実践し収入の可能性を最大限にしましょう。
- 固定費の存在を忘れないようにしましょう。ほかのすべての条件が同じなら、固定費の安い物件を選びましょう。
________________________________
無意味な指標
測ることのできないものは改善のしようもないのは事実です。しかし、その指標は果たして正しい指標ですか?情報の一部だけを切り取って間違った決断に導かれていませんか?多くのバイヤーが誤った質問を投げかけ、中途半端な結論に至っています。
関連記事:「購入目的を明確にする」をご覧ください。
その質問の見方を変えてより良い結果を生み出すことができないでしょうか?ここによくある的はずれな質問とその理由をご紹介します。最終的には良い決断を下すための関連データが見えてくるでしょう。
「稼働率はどれくらいか?」
稼働率だけ見ても意味はありません。その理由はダイナミックプライシングについて前述したとおりです。
1日100ドルの物件稼働率が100%の場合と1日200ドルの物件稼働率が50%の場合、どちらが良いのでしょうか?
この場合歳入はどちらも同じです。つまり日々の部屋代を見ずに稼働率だけ単独で見ても意味がありません。
「客室単価はいくらか?」
宿泊料金は季節により大きく変動します。これがダイナミックプライシングの特徴です。稼働率を見ずに客室単価を見ても意味はありません。料金を設定する際は90%から95%の稼働率を念頭に設定するとよいでしょう。宿泊客の入れ替わりを考えても稼働率100%というのは現実的ではありません。
稼働率と客室単価はそれぞれ単独では意味を成しません。より的確な質問は、
「月々の粗利益はいくらか?」です。
粗利益はユニットが生み出す総賃貸収入です。客室単価に予約日数をかけた数字です。ただし、管理にかかる経費を考慮しなければこの数字も意味がありません。収入と経費は常にセットで考えましょう。
肝心なのは経費を差し引いた後にいくら残るかです。年間500,000ドルの粗利益があるというと良く聞こえますが、経費が粗利益を上回っていては全く良くありません。
物件を売却する際、セラーは魅力的に見える粗利益の正確な数字を強調するかもしれませんが、経費については過少報告されていたり省かれていたりすることがあります。
関連記事:「不動産取引に関するリスク、報酬、責任」をご覧ください。
最近、あるホテルコンドのオーナーが損益計算書に関する情報提供要請に対して素晴らしく良い数字が並んだ所得計算書1099MISCを出してきました。しかし、これは上っ面です。所得は複数の要素の一部でしかありません。正々堂々と実際の経費を開示しなさい!言いたい。
粗利益もまた十分な情報ではありません。適切な質問は次のようになります。
「月々の純収入はいくらか?」
冒頭で紹介したとおり純収入は粗利益からすべての経費を差し引いたものです。これをネットキャッシュフローと呼びます。その数字は損益計算書に表れます。ただし、一部の経費しか計上しない人もいます。
セラーの損益計算書があまりにもでき過ぎているなら、セラーの修正後納税申告書Schedule Eの提示を求めましょう。ここにはセラーの投資物件に関係するすべての経費を項目別に記してあります。セラーのローン控除や減価償却費はあまり興味の対象ではありませんが、Schedule Eに計上されるその他の経費は損益計算書の内容と一致するべきものです。一致しない場合は、そのいずれかまたは両方が真実でないことになります。
バイヤーは注意が必要です。疑わしい場合はSchedule Eから控えめに見積もったぐらいの数字を当てにしましょう。特に管理業者に委託せず個人管理している賃貸物件は都合よく間違っていることがあります。
また個人管理とはオーナーが人任せにせず管理を行うことです。時間と労力がかかりますが、管理費は節約できます。したがって個人管理物件の損益計算書の多くには管理費が計上されていません。
弊社のお客様のなかには個人管理で大きな業績を上げている方もいます。 ただし、個人管では皆に適しているわけではありません。ご自身の時間と労力をいかほど評価するかです。経費削減のためテナントをご自身で探し、ごみ出しやトイレ掃除と格闘する心構えがありますか?
大切なことはまだあります。デノミネーターネグレクト(分母無視)と呼ばれる心理のことです。
購入価格を見ずにネットキャッシュフローである純収入だけを見ても意味はありません。
投資物件としてのキャッシュフローはどちらが良いでしょうか?
- A) 年間キャッシュフロー:35,000ドル、購入価格:700,000ドル
- B) 年間キャッシュフロー:35,000ドル、購入価格:900,000ドル
キャッシュフローは同じですが購入価格700,000ドルの方が相対的リターン率が良いですね。
年間キャッシュフローを購入価格で割るとキャップレートと呼ばれる相対的評価基準を算出することができます。
(キャップレート)=(年間キャッシュフロー)÷(購入価格)
したがって、上記に挙げた中途半端で当てにならない質問を並べるよりも明確な答えがでる質問があります。
「キャップレート(実質利回り)とは?」
キャップレート(実質利回り)
キャップレートは、上記に挙げた質問を包括し、価格の異なる物件でもその価値を一つの数値で表し比較することができる指標です。
「実質利回りは、不動産投資家が収益性や運用益の可能性を精査するために使う最も定評のある指標です。キャップレートは、その物件が現金で購入されたまたはローンが組まれていないと仮定した場合の1年間の単純な収益を表すものです。利回りは、物件固有の、自然な、レバレッジのない状態の収益率を示すものです。」
https://www.investopedia.com/terms/c/capitalizationrate.asp より
実質利回りは、住宅ローンのレバレッジと税制上の優遇措置は考慮されていません。 これは、物件のパフォーマンスをすばやく比較するための単純化された手法です。
しかし、実質利回りはただ単に今現在のパフォーマンスを反映しているだけではありません。
ユニークかつ不公平な強み ― 実質利回りの可能性を実現する
弊社のブログをご覧になりご存じかどうかわかりませんが、弊社のお客様にはユニークである意味不公平な強みがあります。弊社を選んだあなたはラッキーです。
もし仮に、上記のヒントを活用し、知恵を絞って不動産投資のパフォーマンスを向上させるとします。その結果利益が出ると思いますか?
これは実質利回りの可能性を実現であり、投資物件を分析する正しい方法です。
今わかっていることを把握するためのより的確な質問は、
「実質利回りの可能性はどれくらいか?」です。
必要以上に払わないー相対的な格安物件を探す
本稿のメインポイントは実質利回りの可能性を最大化することです。
前述のとおり、以下に当てはまらない限り高いだけの物件の割り増し代金を払うことは避けましょう。
- 賃貸収入で元が取れる、または、
- キャッシュフロー/実質利回りが不十分であってもそれを超える「望むライフスタイル」を満たす物件である
取得原価は実質利回りを算出する上での分母になるため、他と比較して低い価格で購入することは重要です。実際に売る気のあるセラーを見つけ、他と条件が同じなら市場価格よりも安い物件を購入しましょう。今日の市場価格は先週よりも、先月より高いかもしれないことを覚えておきましょう。
自らにブレーキをかけてここ最近の底値を逃すようなら、きっとこの先も購入に踏み切ることができないでしょう。
関連記事:「”望ましい取引”を待つときに覚えておくべき3つのこと」をご覧ください。
現金支出の少ない物件を検討する
購入の際の現金支出には収入を最大化するための必要な改良費も含まれます。今日の貨幣価値は明日より高いのです。
15,000ドルの改良費で最高収入の90%が得られるならば、70,000ドルの改良費で100%を得られる物件を購入するより理にかなっています。
先行投資とその経費を取り戻すまでの時間を計算してみると良いでしょう。例えば、180ドルのシーリングファンを取り付けることで月々のエアコンにかかる電気代が20から30ドル安くなる、等です。安くなった電気代で初期費用を回収するまでにはわずか数カ月しかかからないうえ、取り換えなどが高額になるエアコンが常にフル稼働しなくも良くなるとその寿命も延びるでしょう。
少ない労力でいかに大きなリターンを得られるを常に念頭に置いておきましょう。
「完璧」を求めて自爆するよりは「良い」、「充分」程度で納めておくのが良いのです。
ただし、問題は現金支出だけではありません。ご自身が建設、インテリアデザイナーの関係者でこだわりを持っているまたは、持て余した時間をつぶしたいと考えているのでなければ、常に時間の有効活用を考えておきましょう。
時間は極めて貴重で二度と取り戻すことのできない再生不可能資源です。無駄にしてはいけません。機会費用を失わないよう時間の有効活用に努めましょう。「自分の時間とお金で他に何ができるだろう?」と自身に問いかけましょう。そして実行するのです。
関連記事:「ハワイの不動産購入の心理学とあなたの行動を阻む3つの「P」」をご覧ください。
まとめ
自身が何を望むかが明確になれば複雑な人生も少しはシンプルになります。ホテルコンドに賃貸収入を増やすためには、時間の経過とともに複合的に結果が生まれる簡潔かつ計画された手順を段階的に踏んでいく必要があります。
あなたは机上の空論派、それとも行動派?情報分析に捕らわれて怖気づくのではなく、まずは始めて見て、その都度方向性を修正すればよいのです。