オアフ島不動産マーケット最新情報-2019年
最近、あるバイヤーが代理人を連れて私が掲載するコンドミニアム物件を見にやって来ました。バイヤーは単刀直入に「この先6か月のオアフ島不動産価格はどうなると思います?」と私に尋ねました。
実はこのバイヤー、ホノルルのコンドミニアムに関する情報収集をしており2019年後半までは物件を購入するつもりがないことがわかりました。彼は、「金利が高くなると不動産価格は値下がりするはず」とかなりの期待を持っていました。彼の描く希望と期待を確認するために物件を見にやって来たのでした。
しかし、ハワイでは価格と金利において目に見える逆相関関係はありません。弊社の関連記事オアフ島住宅のアフォーダビリティでは1987年に遡ってその関係を分析しています。
私は以下のようにお応えしました。「3か月、6か月のマーケットの動きはわかりませんが、ここ3年、6年の間にオアフ島の不動産価値は大きく飛躍する可能性があると思っています。」
その時に備えて、2018年を振り返り何が起きていたのか、そして2019年に何が起こり得るのかを見てみましょう。
2018年回顧
2018年は観光客数が1,000万人を超え記録的な年となりました。
オアフ島の失業率は2018年に2%にまで下がり約50年の間では最低値となりました。現在は2.5%あたり停滞しており著しい低水準です。
2018年のオアフ島不動産販売件数は、一軒家で-7.7%、コンドミニアムで-2.5%の減速を見せています。
中間販売価格は、一軒家で4.6%、コンドミニアムで3.7%と辛うじて増加傾向にあります。
2019年の展望
2019年はの懸念材料を抱えたスタートです。
1. 現在の史上最長好景気は今後差し迫った不景気の到来を暗示するものと考えられている。
―果たして本当でしょうか?
2. 2018年12月にアメリカ株式市場がピーク時の2018年10月から20%下落した。
―何らかの前兆なのでしょうか、もしくは単なる一般的な株価の反発なのでしょうか?
3. IMFが2019年の世界経済見通しを0.2%引き下げ3.5%に下方修正した。中国経済の成長率がわずか6.6%に減速すると予想されている。
―6.6%の成長率は目覚ましいのではないでしょうか。
4. 米中貿易関税問題、イギリスのEU離脱問題が2019年の景気後退の引き金となり兼ねない。
―何ら変わりなく平常どおりでなければ・・・
5. 国政の混乱、政府の閉鎖による不都合な状況。
―落ち着くまでは懸念材料です。出来るだけ早く終わってほしいものです。
昨年は新たに施行された2018年減税・雇用法などの懸念材料がありました。全米リアルター協会はアメリカ連邦議会に宛てた文書の中で「全米で10%を超える住宅価格の下落、 物価の高い地区ではさらに高い下落率…」と予測しました。
―実際にはそのようなことは起こりませんでした。
私は経済学者ではありませんし予想が半分当たれば良いくらいですが、理性ある楽観主義者です。悲観的な先入観の末に世界滅亡説が流行ることも理解できるようになりました。私たち人間の脳はそう働くようにできています。2000年問題(Y2K)がとりだたされた時のことを覚えていますか?
2019年初旬のアメリカ経済では、やや緩やかな成長、低い失業率、堅実な最低賃金の成長、強い企業力、インフレーションの始まりなどに恵まれるでしょう。これらは全て健全な経済環境の兆候です。「どんな良い事にもいずれ終わりが訪れる」からといって不景気が差し迫っているというわけではありません。
それでは、2019年に考えられるふたつの状況を見てみましょう。
1. 自己実現的予言
―景気減速という単なる期待感が現実のものとなるのでしょうか?もしそうだとすればどのようなものなのでしょう?
2. 継続的な成長
―不動産価格は一時的に下落ではなく横ばいに転じるのでしょうか?もしそうだとすれば価格が安くなる市場参入時期を心待ちにしていたバイヤーは失望するでしょう。
誰もが不動産購入や不動産賃貸が正しい選択なのかを決断しなければならない時があります。そんな時、良い時期を待っていることが得策なのでしょうか?2019年に考えられる状況2で挙げた「継続的な成長」が起こる可能性は高いのでしょうか?
もし仮に不動産価値がご自身の思う程度まで下がらなかったら・・・?後になって、今現在のことを思いあの時が買い時だったと後悔するかもしれません。
「あなたの思考があなたの住む現実世界の性質を決定するのです」
今は今を楽しむことにしましょう。念のため、下記の情報をご紹介します。
30年固定金利住宅ローンは、前月より0.4%下落し、9か月振りに平均4.45%となりました。なお、昨年同時期の30年固定金利住宅ローン利率は4.15%でした。
2019年1月1日付でハワイのコンフォーミングローンの融資限度額は6.9%引き上げられ726,525ドルとなりました。
まとめ
弊社は世論に反し、ハワイの不動産価格及び住宅ローン金利が今は時期尚早と考えて時を待つバイヤーにとって有利に動くとは考えていません。
弊社が考える住宅購入の絶好の機会とは、
a) 購入したいと思うご自身に見合った家に出逢った時
b) ご自身の心の準備が整い、経済的な準備が整い、住宅購入の準備が整った時
と考えています。
金利や季節、その他の指標に基づきマーケットのタイミングを計るのはお粗末な考え方と言えるでしょう。