AirbnbやVRBOなどで人気を博す今日のシェアリングエコノミーにおいて、多くの人が賃貸することでペイできるハワイ不動産の所有を検討しています。
ホテルコンド及び短期バケーションレンタルへの投資が初めての方は、ワイキキ ホテルコンド/短期バケーションレンタル用コンドミニアムガイドをご覧ください。
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ホテルコンドならではのメリットは下記の2点です。
a) 短期バケーションレンタルの収入を最大限に引き出せる
b) ご自身の休暇で滞在先として最大限利用できる
しかし、投資物件を「個人利用」する場合は税制面で注意が必要です。IRSは、当該物件を年間の利用状況により「個人利用目的の不動産」または「投資目的の不動産」のいずれかに分類します。。これにより申請する課税控除額に大きな影響が出ます。
ワイキキのコンドミニアムまたはワイキキのホテルコンドを購入した場合、利用目的によりいかに税制優遇措置が異なるのかを見てみましょう。
1) 個人利用目的の不動産-ご自身のための宿泊施設として
セカンドハウスまたはバケーションホームとしての利用で投資目的の賃貸物件ではない場合です。個人利用とは、ご自身、ご家族、ご友人の利用をいいます。
個人利用目的の不動産では、住宅ローンの利子、固定資産税、モーゲージポイントなどIRSが定める課税控除は限られています。これらの経費はSchedule Aで控除項目に挙げられます。減価償却費、メンテナンス費、修繕費は納税申告で控除されない場合があります。
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IRSは、個人利用目的の不動産の14日間までの短期賃貸の収入は申告不要としています。ご自身の旅行中にご自宅を14日間だけAirbnbで貸し出してみるのも面白いかもしれませんね。
2) 投資目的の不動産-売り上げを生むビジネスとして
IRSは投資目的の賃貸用不動産の所有をひとつの事業とみなし、多くの課税控除を認めています。控除の項目には、減価償却費、住宅ローン利子、固定資産税、自治会費、光熱費、保険、マーケティングまた広告費、メンテナンス費、修繕費、清掃費、運営費などがあります。
投資目的不動産の経費はScheduleEで計上し賃貸収入と相殺することができます。課税控除額の合計が賃貸収入を上回る事もありその場合評価損となります。この「評価損」が結果的に納税額を減らしてくれることがあります!これが不動産投資家の目指すところです。
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しかし、当該不動産を個人の休暇で利用する際にはうっかり課税控除資格を失わないよう注意しなければなりません。ご自身の投資目的不動産が下記の2点をクリアしなければなりません。クリアできていない場合、IRSは投資目的である不動産を個人利用目的とみなし多くの課税控除の対象外としてしまいます。
1:投資目的不動産の個人利用は14日間または公正な市場賃貸価格での賃貸日数の10%のいずれか多い方を超えてはいけません。個人利用日数は、ご自身、ご家族、ご友人が公正な市場賃貸価格を支払わずに利用した日数をいいます。
2:賃貸の際は公正な市場賃貸価格で賃貸しなければなりません。「優良賃借人への割引」や「家族友人割引」は市場賃貸価格の20%を超えてはいけません。20%の割引は危険ゾーンへの境界線です。したがって、税制アドバイザー等は一般的に10%を超える割引は控えることを推奨しています。監査が入った時のことを考えて公正な市場賃貸価格を記録しておくと良いでしょう。
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上記の2点を確認することでご自身の状況が明確に見えてくるでしょう。できれば、個人利用目的か投資目的かいずれかに決めておく方が良いでしょう。個人利用目的の控除はSchedule Aで申請、投資目的であればSchedule Eで報告します。
ご自身、ご家族、ご友人が14日間または公正な市場賃貸価格での賃貸日数の10%を超えて利用する場合はどうなるのでしょうか?
その場合、「個人利用」のSchedule Aと「賃貸利用」のSchedule Eで利用日数の割合に比例して住宅ローン利子と固定資産税を計上する必要があります。
「個人利用」日では、いかなる賃貸経費の控除も適応されません。余った賃貸経費は賃貸収入との相殺に使えますが、Schedule Eで評価損を出すことはもはやできないでしょう。
物件にかかる経費をSchedule A とSchedule Eに割り当てることはIRSの監査の引き金を引くきっかけにもなり兼ねません。監査となるといろいろと面倒ですので気をつけましょう。
まとめ:
「個人利用目的の不動産」と「投資目的の不動産」では税制上で違いが出てくるのでルールを理解し失敗のないように気をつけましょう。不意にすべての課税控除を失い全賃貸収入が課税対象となるのは避けたいものです。個人利用日数を明確にし、常に適切で公正な市場賃貸価格を課すようにしましょう。
ハワイの賃貸収入に課せられる税(GET及びTAT)を適切に申告、納税しましょう。延滞料や利子はあっという間に膨らみます。また、GET及びTATの監査に時効はありません。
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※税制に関することは常に資格を有する税制の専門家に相談しましょう。