- オンライン不動産データベースを運営するZillowが住宅転売プログラムiBuyingを断念
- 2022年一流専門家の予想
- 2022年に行われる改定
________________________________
冗談は抜きにして、我々は未来を占う水晶玉を持っているわけではありません。しかし、専門家達もプロである以上は予想をしないわけではありません。
専門家の意見を見る前に、Zillowに最近の状況を見ておきましょう。
Zillowが住宅転売プログラムiBuyingを断念
長年にわたりZillowはZillow流物件評価見積のプロと自称し世間を欺いてきました。自己催眠にかかった物件所有者達は明瞭な思考回路を歪めてしまう確証バイアスとドーパミンの急激な噴出のせいでまんまと騙されてきました。
所有する不動産の高い評価を確約するかのようなオーナーの気を良くする方策に誰が反論するでしょうか?
しかし、蓋を開けてみるとZillow自体がその方策の犠牲者となっていました。物件価値を証明するZillow独自の算出方法では結果が得られなかったのです。
Zillowの大がかりな事業iBuyingでは、Zillowが不動産転売から利益を得るマーケットメイカーになろうとしました。しかし、結局は購入した住宅の価値が購入金額に見合わなかったのです。
ZillowはiBuyingの終了を発表しました。報道によると、従業員の25%を解雇したとされています。この発表の後、Zillowの株価は2021年10月29日のピーク時以来3週間で50%下落しました。
Zillowが住宅価値や価格トレンドを正確に予想できるなどと誰が思ったでしょうか?
2021年11月、ZillowのCEOリッチバートンは「住宅価格を予想するのは不可能であると判断した」と認めています。
________________________________
2022年一流専門家の予想
Zillowは未来予想は不可能だと認めたわずか1週間後には再び精力的に動いています。
人には金魚ほどの記憶力しかないとでも誰かに吹き込まれたのでしょうか。確かに、Zillowの前回の計画に全く信憑性がなかったにも関わらず多くの人がそのことを忘れています。
私たちの脳は思い描く未来予想図を構築する決まったパターンを認識しようと絶えず物事を解析しようとしています。いかなる予測も、何もないよりはましです。くだらないデータや不可知な状況に基づく誤った予測でも、それは安心感を生み出します。騙されやすい人の間では占星術がいまだ幅を利かせています。
専門家は洞察力があるふりをすることが好きですが、資格のある当局の未来予想は笑えるほどお粗末です。知識があればあるほど、予想が間違っている傾向にあります。 そのためか専門家のヘッジファンドマネージャーは市場で長期的な業績をあげることができません。運はスキルよりもはるかに優れた予測因子なのです。
このあと、各専門家の予想をご紹介しますが、そのまえに・・・
2020年8月から2021年8月までの12か月間の米国の住宅価格の最大の上昇は記録的な19.9%でした。また、30年の固定住宅ローン金利は現在2.96%です。ご参考まで。
それでは米国住宅価格の専門機関の予想、意見をご紹介します。
ーゴールドマンサックス
2021年10月11日、投資銀行ゴールドマンサックスの予想では2022年末までにアメリカの住宅価格が16%値上がりすると見ています。
―Zillow
2021年11月17日、Zillowの最新予想では2021年10月から2022年10月の期間にアメリカの住宅価格が13.6%上昇すると見ています。これはアメリカの住宅価格が11.7%上昇するとしたZillowの9月の予想から上方修正されています。
―ファニーメイ
2021年11月10日、2021年11月に発表されたファニーメイの最新予想では2022年に住宅ローン金利が平均3.3%上昇、2023年には3.5%上昇するとしています。
ファニーメイは、2021年の最終四半期に、2021年9月に終了した四半期の過去最高の対前年比18.2%と比較して、米国の住宅価格が対前年比16.6%上昇すると予想しています。
「クールダウンは始まったが、市場が正常化するまでには時間がかかるだろう。 二桁の住宅価格インフレは2022年半ばまで続く予想で、 住宅インフレがパンデミック前に見られた5%のペースに戻るのは、2023年までではないだろう。」 (アメリカの住宅価格、インフレ見通し:ファニーメイは2023年まで上昇を見ている)
―レッドフィン
2021年11月18日、レッドフィンは2021年よりも2022年の住宅販売が1%上昇し、アメリカの住宅価格の成長率は2022年末までに対前年比で3%低下すると発表しました。30年固定住宅ローン金利は2022年末までに3.6%に上昇するとしています。
―全米不動産協会-ローレンスユン
2021年11月13日、全米不動産協会のエコノミストであるローレンスユン氏は「より正常で予想可能な市場の兆しが見えてきた。 住宅価格は上昇し続けるだろうが、ペースは鈍化するだろう」 「急速な価格上昇の時期は終わり、セラーは、過去12か月に起こったことから大幅な減少があることを想定しなければならない。 住宅価格は一般的に1年前に比べて高くなるが、夏にと比べるとやや低くなるか可能性がある。」
ユン氏は30年固定住宅ローン金利が2022年中間に3.5%にまで、2022年末までに3.7%にまで上昇すると見積もっています。
―モーゲージバンカーズアソシエーション
2021年11月22日、モーゲージバンカーズアソシエーションの最新予想ではアメリカの住宅価格は2022年末で前年比5.1%、2023年末で前年比4.4%、2024年末で前年比5.4%の上昇が見込まれるとしています。
30年固定住宅ローン金利は、2022年第三四半まで3.7%、2022年最終四半期まで4%、2023年末まで4.3%、2024年末まで4.3%と予想しています。
モーゲージバンカーズアソシエーションがここまで未来に関して予想するからには、かれらがすべての中で最も優れた水晶玉を持っているという証拠に違いありません。もしくは、頻繁に見解を修正し、絶えず変化する英知を売り物にしようとしているのでしょう。
―コアロジック
2021年11月2日、コアロジックHPIの予想ではアメリカの住宅価格は2021年9月から対前年比で1.9%上昇するとしています。これは2012年以来の住宅価格で最も緩やかな成長率となる予想です。
________________________________
さあ、以上が不動産業界の未来予想です。2022年末までのアメリカの住宅価格上昇の振れ幅は16%から1.9%なのです。
お好きな予想を選び、その予想が正しいと信じ、不確定要素はないものとして考えることにします?それではまるで運試しですね。
ナシムタレブは著書ブラックスワンの中で、許容誤差、最新性バイアス、確証バイアスの過小評価、および時間の経過とともに急速に指数関数的になる予測の低下など、予測に関するいくつかの問題について説明しています。
もちろん、時にして起こる予期せぬ出来事ブラックスワン(デルタ株?オミクロン株?)もあります。
感謝祭の前日、農場主がナイフを研ぐまで、彼が農場の王であると確信していた栄養豊富な七面鳥に聞いてみてください。
下記に2020年6月2日のコアロジックによる過去の予測をご紹介します。この記事は、当時、アメリカの不動産価格の差し迫った下落を予測したものです。
________________________________
予想はもうたくさん!
弊社のブログをチェックしてくださる皆さんはおそらく遊び半分ではないでしょう。ここにハワイ不動産に関する実用的なアドバイスをご紹介します。
市場のタイミングを計ろうとしないこと。
大切なのは市場のタイミングではなく、市場に費やす時間です。
これは以前にもご紹介しましたが、購入の正しいタイミングとは・・・
- その地に長く住むと決めた時
- 身の丈に合ったご自身にふさわしい家が見つかった時
です。
________________________________
2022年ハワイ州の改定
以下はハワイの2022年の新たなコンフォーミングローンの制限額です。
1ユニット居住施設 $937,507
2ユニット居住施設 $1,200,420
3ユニット居住施設 $1,450,935
4ユニット居住施設 $1,803,195
法案41号? (Bill 41)
ホノルル市企画・許可部、市議会、市長は巧妙なトリックを使ってホテルコンド運営の独占を推し進めようとしています。
市議会には2022年3月の議会で慎重に議論することが期待されます。
現時点では、結果の可能性と経済への影響は分かりません。最新情報とハワイ不動産市場への影響については、もうしばらくしてから確認するようにしてください。