一年ほど前、あるバイヤー(田中さんと呼ぶことにしましょう)から連絡があり、ハワイの不動産市場について質問を受けました。田中さんは、ハワイに出向き下記の二つの機能を持つコンドミニアムを手に入れると心に決めていました。その機能とは、
a) 年に数週間自身が楽しむために利用するバケーションホーム
b) その他の期間に賃貸収入が発生するキャッシュフローのある投資
田中さんがハワイに到着するまでに質問の多くにはメールで答えておきました。田中さんのハワイ滞在中、候補となるホテルコンドを10数軒選び見て回りました。田中さんは損益計算書や管理運営の方法などについて熱心に調べました。そして彼の基準に見合う物件が3軒見つかりました。
ところが、購入に向けて進むかと思いきや、田中さんは市場、建物、ユニット、強いてはセラーについてまでさらに詳しく分析してみたくなりました。
分析をすればするほど、購入を躊躇する要因が増えて決断に遅れが出てしまいました。先立つ恐怖心が障害になっていました。「この物件購入は大きな過ちではないだろうか?この
このコンドミニアムには何か欠陥があるかもしれない。」残念ながら、田中さんが物件を買うことはありませんでした。
田中さんの4つの不安材料
1) 権利意識-「皆が昨年払った額以上は払いたくない?」-今日の市場は昨年の市場ではありません。ハワイではほぼ毎年のように評価額が上昇しています。
2) 欲しいと思った物件は売約済み
-田中さんが迷うことなく買いたいというコンドミニアムが1軒ありました。しかし、その物件は数ヶ月前にすでに売れてしまっていました。
3) 最初から結論を決めつけてしまう直近バイアス心理-「市場は最高値にきているようだ。かつて株価上昇ののちに暴落があったように、また近々暴落するかもしれない。」(実際には2008年から2010年の金融危機ではわずか10%下落でした。)
―上昇トレンドの市場では、多くの場合過去に比べて評価額が最高値となる傾向にあります。確かに、いずれ不景気の波が訪れることでしょう。しかし、それがいつやって来るのかは誰にもわかりません。価格が安定する以前に市場が上昇するかもしれません。不景気であってもハワイの住宅価格市場では最小限の影響しか出なかったこともありました。2001年の不景気では、ハワイの不動産価格はむしろ上昇しました。
恐怖心と疑念-「複数のセラーが売りたいと思うのであれば、この建物には欠陥があるに違いない。」
ご自身を不安に追い込むのはやめましょう。市場に出回る物件の在庫量は不規則に変化します。一時的に在庫量が増えたということはより柔軟な価格の伸縮性を示している場合があります。絶好の機会を捉え、バーゲン物件を手に入れましょう。
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田中さんから最近メールがあり、引き続き市場の動きを注視していると連絡がありました。しかし、市場の状況がどうであれ田中さんは恐怖心を克服できるでしょうか。
馬鹿げているように思えますが、これが現実です。そしてこれは田中さんに限ったことではありません。実際に多くのバイヤーがご自身の疑念に追い込まれ前進できずに苦労した経験があります。
不動産購入は経済的に大きな責任を伴います。しかし、その責任の大小に関わらず、単純に正しい考え方を持って向き合っているかが重要です。田中さんのように足踏みをしている間にもやるべきことを着実に進めている人たちもいるわけです。
必要な事は目の前にあるチャンスを認識し、そのチャンスが通り過ぎるのを見ているだけではなくアクションを起こすことです。「〜するべきだった」「〜だっただろう」「〜できただろう」では目指すところに辿り着きません。まるでバックミラーに映る景色を見ながら運転しているに等しいのです。
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「成功する者は、準備ができたと思う以前に動き始める。ことを始めるにあたり、自分自身、自分が持っているもの、自分が今知っていること、これさえあれば充分である。」~ジェームスクリア~
サンセットへと続く山道
バイヤーを妨げるPで始まる三大キーワード
私は人間の持つ可能性、そしていかに生活の質を向上させるかということに好奇心をそそられます。自らの可能性のみならず、他者の可能性発掘のお手伝いにも情熱を注いでいます。これは不動産にとどまらず、人生のあらゆる局面に影響を及ぼします。
何が障害となっているのかを理解することが進むべき道を知る第一歩です。
人は、物事を先延ばしにすること(Procrastination)、完璧主義(Perfectionism)、分析まひ(Paralysis)に翻弄されています。
1) 先延ばしにすること-ちょっとした行動の遅れに大した影響は無いと思われますが、小さな不注意は簡単に不健全で非生産的な習慣となることがあります。複合的な作用が働き夢の実現全体をふいにすることがあります。このようにして人は生涯金欠状態に陥ります!そのような人は貯蓄や投資に関する話をしますが決してことを起こす事はありません。
雑念を取り払い、目先の満足感に目がくらまないようにしましょう。
「あの時不動産を購入しておけば良かった。」と後悔を口にする人に多く出会います。過去のことを嘆くよりもご自身が何を求めているのか見極めましょう。手続きは即座にかつ慎重に進めご自身が望む結果が得られるよう現実とのギャプをしっかりと埋めていきましょう。過去を振り返った時「あの時物件を買ってよかった」思えることを切に願っています。
2) 完璧主義-何事も完璧でなければならないと考えると完璧には進みません。「完璧」よりも「良くできました」程度を目指しましょう。今現在できる限りのことを行い、少しずつ積み重ねていきましょう。一旦始めてしまえば、何を学べばよいのかおのずと見えてくるでしょう。
私は投資のいろはを学ぶため1992年に初めて投資物件を購入しました。投資を始めたもののどのようにすれば良いのか明確な理解はありませんでした。幸運なことに私の初めての賃貸物件への投資はうまくいきました。これに刺激を受け、投資アプローチに磨きをかけさらなる賃貸物件に投資することになりました。投資への願望が私の恐怖心を払拭したのです。知識不足、経験不足は一時的なものでした。
あの初めて買った小さな賃貸物件無くして現在所有するその他の投資はなし得なかったでしょう。私の今日の経済状況も得られなかったことでしょう。
何もかも調べ尽くして何も始めないよりは、80%の知識を持ったぎこちないスタートからでも成功を収める方が良いでしょう。
全ての不動産を見てみて基準の80%を満たす物件が見つかったならば、それはラッキーだと考えましょう。おめでとうございます!そのチャンスを逃さないようにしましょう。
3) 分析まひ-キャンプに出かける前にマッチ箱に中のマッチ全てが使えるか一つ一つ試してみる必要はありませんよね。ご自身が目指す方向に向かって必要な行動を起こすための十分な情報を集めましょう。投資を進める中で学びながら次に進むべき道を見つける能力がご自身にあることを信じましょう。成功した人は皆このようにして何もないところから出世してきたのです。
不動産の世界では、まず資金を準備し予算内でご自身の基準を満たす物件を探します。準備が整い、金額的に手が届くふさわしい物件が見つかったら、それは決断の時です。分析ばかりしていても何も達成することはできません。行動あるのみです。
時間の使い方:アライブタイムVSデッドタイム
ロバートグリーンはこのように言っています。「人がタイミングを待っている間にはふたつの種類の時間がある。ひとつは受動的でじっと待っているデッドタイム。もうひとつは未来に向かって常に学び、行動し、努力するアライブタイム。」
ご自身が目指す目標に向かって進むために積極的に時間を使っていないのであれば、それはつまりその目標から離れていっていることになります。前進するために今日はどんな行動を起こしましたか?
世の中の人は3つのタイプに分けられます。
あなたはどれに当てはまりますか?
1) 人は学ぶことで人生を変えることができるということを知らない人
このタイプの人は、目標達成、生活や環境の改善は他人の手に委ねられていると考え、生まれた世界、幼少期を過ごした環境がその後の人生を過ごす場所であると信じています。そこから動けず変わろうとしません。-これは自らの限界を定めてしまう「固定思考」です。
2) 人は変わることができると知っている人
このタイプの人は、前述の田中さんのように学習し分析します。理論立てて目標を設定し、計画を立てます。しかし、学んだことを生かす行動力と実行力に欠けています。知識があるにも関わらずその場から動けません。原因は恐怖心です。-これは田中さんが患っていた「分析まひ」です。
3) 常に学び新たな知識をすぐに実践に移す方法を探求している人
このタイプの人は、「私が持っている知識で目標達成に向けて今できる最大限のこととはなんでしょうか?」と尋ねます。彼らはアイディアを引き出したり新たな知識を行動や生産性ある成長に変えたりするために専門家に助言を求めることもあります。何事も勉強です。恐れ知らずの態度を持ってすれば、設定した目標のほとんどを達成することができます。-これは限界のない「成長思考」です。
「行動したい」という気持ちだけではで、いつまでもその場で足踏み状態です。成功したいならば、a)最大限の努力をする、b)並外れた努力を持って大きな行動に出ることが必要です。
· 恐怖心を克服し、ご自身の環境や人生を常に画策し改善していくタイプ3に属しているほうが楽しいと思いませんか?
多くの人が持ち家を持つという夢をかなえ、不動産投資で成功を収めています。それは嬉しいことにあなたにも成し得ることなのです。
驚くべきことに、それはご自身の月々の収入とはほとんど関係がありません。成功への鍵は成長思考を持つこと、長期的に継続して学ぶこと、そして迅速に行動を起こすことです。言葉ばかりであとに続く行動がなければ、ただのくだらない話にすぎません。
私は、年に50万ドルを稼ぎ、高級住宅を賃貸し、高級車に乗り、豪華な生活を送る人々を知っています。しかし、彼らの中には未来の財政状況を計算しておらず、その日暮らしの人もいます。
一方、自らにふさわしい住宅購入を成功され、限られた財政状況の中で家賃を払ったクライアントもいます。彼らは小さなことから始め、着実に生活の質を向上させてきました。中には小額投資から始め素晴らしい不動産投資ポートフォリトを構築したクライアントもいます。
関連記事: 7 Real Estate Investment Strategiesもご覧ください。
ダイヤモンドヘッドを臨むプール
ご自身がどの位置からスタートするのかは問題ではなく、大切なのは最終的にどの位置に向かいたいかということです。そこに向かうためにしっかりと計算されたステップを踏んでいくことが大切です。
精神的、経済的に準備ができていないのであれば不動産購入は止めておきましょう。しかし、準備が整ったならば、残る心配事が解決すべき懸案事項なのかそれとのあなたの行動を引き留めているだけの不要な恐怖心なのかご自身に問いかけてみましょう。
人生はその人次第で複雑にもシンプルにもなり得ます。不動産投資は下記のようにシンプルであるべきです。
· ご自身にとって不動産所有が重要であるかを確認すること
· 精神的、経済的な準備を進めるうえで着実な道を選ぶこと
· 長期的ビジョンを持って決断の時を逃さないこと
弊社では、お客様が不動産投資の夢を達成されることを切に願い全力でサポートいたします。
どのようなサポートをご希望かお申し付けください。必ずお役に立ちます。