※注記:当記事は、アメリカ市民やアメリカ在住者にのみ利用が可能な1031エクスチェンジというキャピタルゲイン税を繰り延ばすことができる制度です。日本にご在住の方は、米国での課税を繰り延べしても、日本側では課税される事を想定必要がございます。
概要:
- 1031エクスチェンジはキャピタルゲイン税を繰延し、不動産で資産を構築することができる素晴らしい制度です。
- 所有者が利用する目的なのか?投資目的なのか?バケーションホームはどちらの資質も兼ね備えたハイブリットです。税制優遇制度を最大限に活用する術を身につけましょう。
- バケーションホームの1031エクスチェンジはほしいものを手に入れる絶好に機会になり得ます。バケーションホームでのエクスチェンジ活用法を学び、キャピタルゲイン税を繰延し、源泉徴収税HARPTA、FIRPTAの節税を実現しましょう。
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-先週、電話である問い合わせを受けました。「バージニア州にある家を売ってハワイ州の物件を購入するのに1031エクスチェンジは使えるでしょうか?」
答えは「Yes」です。手放す物件と新たに購入する物件のどちらとも投資目的であれば可能です。
1031エクスチェンジは、投資物件を売却し新たな投資物件を購入する際にかかるキャピタルゲイン税を繰延することで多額の富を構築できるありがたい贈り物のような制度です。
1031エクスチェンジのメリット、条件、注意事項等は弊社のブログ「1031エクスチェンジで財を成す」をご覧ください。
ただし、1031エクスチェンジが利用できるのは投資物件のみで、主たる住居やご自身が利用するためのセカンドホームには利用できません。
アメリカ国税庁は利用目的別に物件を二つのカテゴリーに区別しています。
- 私邸―所有者が利用する目的。これは主たる住居またはセカンドホームとしての利用です。この場合、納税申告書のSchedule Aで税額控除が受けられます。
- 投資物件―事業として収益を得る目的。こちらは納税申告書Schedule Eでより多くの税額控除が受けられます。
「投資物件」のほうがより多くの税制優遇が受けられます。
関連記事:「不動産関連税制優遇制度ガイド」をご覧ください。
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ではバケーションホームはどうでしょう?―こちらはなんとハイブリット!
ハワイ州では多くのバケーションホームが所有者利用と利益を生む投資の両方を兼ねています。
何をもって「所有者利用」と「投資」とするかが分かりにくいため、アメリカ国税庁はその境界線を明確に示しています。
したがって、ルールを理解しそれに従いましょう。従わない場合、国税庁が経費の控除申請を却下することもあり得ます。1031エクスチェンジに関していえば、課税猶予の優遇自体を失ってしまう可能性があるのです。
投資物件として適正を見極める2つのテスト
投資物件に与えられた莫大な税制優遇をIRSから引き出すためには2つのテストを突破しなければなりません。
テスト1:所有者が投資物件を利用する際は、14日または公正な市場家賃で賃貸された日数の10%のいずれか大きい方を超えてはいけません。所有者利用日数とは、公正な市場家賃を支払わずにご自身、ご家族、ご友人が物件を利用した日数です。
テスト2: 家賃は市場の公正賃貸料でなければなりません。特別割引や家族・友達割引などは市場の公正賃貸料の20%を超えてはいけません。20%は危険ボーダーラインです。したがって税制の専門家は一般的に10%を超えないことを推奨しています。万が一監査が入った時のため、常に市場の公正賃貸料を記録しておきましょう。
弊社が以前掲載したブログ「ハワイバケーションレンタルの「個人利用」に関する税制上の留意点」で詳細をご確認いただけます。
所有するバケーションホームがこのふたつのテストをクリアしていない場合は、バケーションホームの目的別使用時間比に沿って 経費を分けて計上できます。所有者利用分にかかる経費をSchedule Aに、投資目的分かかる経費をSchedule Eに計上します。
ただし、経費の分割計上は監査の対象となりやすくなります。こちらも危険領域です。信頼する税制の専門家に相談し、書類に落ち度がないようにしましょう。
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1031エクスチェンジを利用できるバケーションホームの条件
今このブログを読んでくださっているあなたはとてもラッキーです。弊社ではあなたの夢を叶えるための事業を展開しています。ブログでお客様の決断プロセスの一助となる秘訣やコツをご紹介しているのもそのためです。
- 投資物件を所有しているがバケーションホームを購入したい?
- バケーションホームを所有しているがより利益の上がる投資物件を購入したい?
- バケーションホームを所有しているが別のバケーションホームを購入したい?
いずれの場合でも1031エクスチェンジを利用し、このバケーションホームを使ってキャピタルゲイン税を繰延することができます。
IRSのRevenue Procedure 2008-16ではバケーションホーム(より広義に居住施設と呼ばれるもの)を伴う1031エクスチェンジに関するガイドラインを定めています。
いくつかの条件を満たす必要があります。
バケーションホームー手放す物件
1031エクスチェンジで手放す物件としての条件は、
- 少なくともエクスチェンジの直前24カ月間当該物件を所有していたこと(1031エクスチェンジが利用可能となる使用期間)。
- エクスチェンジ直前24カ月のうち直前12カ月間とさらにその直前12カ月間のそれぞれにおいて、市場の公正価格で少なくとも14日間またはそれ以上当該物件を賃貸し、且つ所有者の利用日数が14日間または公正価格で賃貸した賃貸日数の10%のいずれか多い方を超えていないこと。
バケーションホームー買い替える物件
1031エクスチェンジで買い替える(次の)物件としての条件は、
- 少なくともエクスチェンジの直後24カ月間当該物件を所有すること(1031エクスチェンジが利用可能となる使用期間)。
- エクスチェンジ直後24カ月のうち直後12カ月間とさらにその直後12カ月間のそれぞれにおいて、市場の公正価格で少なくとも14日間またはそれ以上賃貸し、且つ所有者の利用日数が14日間または公正価格で賃貸する賃貸日数の10%のいずれか多い方を超えないこと。
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所有者利用の定義
所有者利用とは所有者の家族、兄弟姉妹(異父、異母兄弟姉妹を含む)、配偶者、直系尊属、直系卑属が利用する場合を含みます。
また、友人や家族が市場価格を支払わずに利用する場合も所有者利用に含まれます。
市場の公正賃貸価格は、付随的なメリット等を含む賃貸契約の全ての権利と義務を考慮して決められています。
例外:下記の条件で家族が利用する場合は所有者利用とみなされません。
- 市場公正価格で賃貸する場合
- 家族が主たる住居として利用する場合
関連記事:「子供に家を買う!-親族への賃貸」ご覧ください。
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HARPTA、FIRPTAとは?
所有するバケーションホームで1031エクスチェンジが無事成立したら、もう一つメリットについて考えましょう。
そのメリットとは、1031エクスチェンジでできるHARPTA税、FIRPTA税の節税です。
- HARPTA税はハワイ州在住でない人がハワイ不動産を売却する際にかかる源泉徴収税です。
- FIRPTA税はアメリカ合衆国在住でない人がハワイ不動産を売却する際にかかる源泉徴収税です。
弊社のブログ「ハワイ州不動産税法(HARPTA)、 外国人不動産投資税法(FIRPTA)に定める源泉徴収税ー落とし穴回避策」に詳細を掲載していますのでご覧ください。
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まとめ
ルールに従って行えば、1031エクスチェンジでバケーションホームのキャピタルゲイン税繰延することができます。
ただし、Schedule A(所有者利用目的)とSchedule E(投資目的)で不動産経費を分割するのは好ましくありません。1031エクスチェンジには二つの結果しかありません。成功かあるいは税金繰延の失敗かです。
財政においてこの二つの結果は全く正反対の結末です。1031エクスチェンジに失敗すると多額の税金が襲い掛かってくることになります。
ルールは簡単ですが、守るのは簡単ではありません。向け目なく記録を取っておきましょう。
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弊社はいかなる市場状況であっても不動産売買をお手伝いするスペシャリスト集団です。
不動産売買を真剣にお考えの方、是非ご連絡をお待ちしております。バケーションホームで1031エクスチェンジ?不動産売買を真剣にお考えの方、是非ご連絡をお待ちしております。